文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL

文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL
気候変動、厚岸の生物群集に影響 温暖を好む生物増える 北大

北海道大学

北海道大学の野田隆史教授らの研究グループは、北海道東部の厚岸(あっけし)で海岸の波打ち際の生態系にどのような影響を及ぼしたかを調査した結果を17日に公表している。海藻類が増加した一方で、巻貝が減少していたことが明らかになった。

研究グループは厚岸の4海岸で生態系を構成する「海藻類」と「固着動物」、「藻食巻貝」、「肉食巻貝」を対象に存在量を2003~23年まで調査した。

海藻類が約3倍増加した中で、藻を食べる巻貝が約5分の1に減少していたことが確認されている。種ごとでは、海藻類6種、固着動物5種、藻食巻貝1種が増えた。他方、海藻2種、藻食巻貝2種が減る傾向にあった。

原因を調べると、海藻類の増加と巻貝の減少には温暖化が影響していると判明。暖かい海域を好む生物は増加し、冷たい海域に適した種は減少していたという。

研究グループは「生態系の中止と長期モニタリングが必要だ」とコメント。気候変動対策として、「⼀般的には温暖化への対処が挙げられがちですが、酸性化についても⼗分に対策を考える必要があり、本研究はその重要性を強調するものである」としている。