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【研究最前線】マグネシウムイオンが皮膚を酸化ストレスから守る 慶大教授らが新発見

慶應義塾大学の岡浩太郎教授らは15日、㈱資生堂と共同で活性酸素種にさらされた人の皮膚の大部分を占める細胞「ケラチノサイト」で細胞内マグネシウムイオン濃度が上昇して、細胞内のエネルギー産生器官であるミトコンドリアを酸化ストレスから保護する効果があるという発見をしたと発表した。

研究グループはケラチノサイトが活性酸素種の一つである加算か水素にさらされた際のマグネシウムイオン濃度の変化を調べた。結果、ケラチノサイトでは細胞内マグネシウムイオン濃度が徐々に上昇することを見出した。

次に酸化ストレスによるミトコンドリアへのダメージとマグネシウムイオンの関係を調査。マグネシウムイオンが濃度依存的にミトコンドリア膜電位の低下を抑えている可能性が示唆され、それを検証すると実際に抑制していることが確認された。

ケラチノサイトが活性酸素種の一つである過酸化水素にさらされたときに、細胞内マグネシウムを増加させ、それがミトコンドリアの機能低下を抑制して、酸化ストレスから細胞を保護することが明らかになった。

研究グループは「マグネシウムイオンの抗酸化作用を明らかにするとともに、皮膚を保護する成分としてのマグネシウムイオンの有効性を示すことにも成功した」としている。