九州大学の研究グループは昨年1月に反省したトンガ火山の噴火について、スーパーコンピューターでシミュレーションを行い、噴火から電離圏擾乱にいたるまでの過程を世界で初めて再現した。このモデルが地上の現象による圏の乱れを予測する重要な方法となることが期待されている。
電離圏は主に高度80㌔から1000㌔程度までの電離した大気の領域。この圏は気象現象、地震、噴火によっても変動することが分かっていたが、その理解は十分ではなかった。そこで研究グループは噴火から圏に影響を与えるまでの過程を再現できる数値モデルを開発して、スーパーコンピューターで模擬実験をした。
その結果、噴火によって強い衝撃が発生し、それが情報に伝播して電離圏領域に到達して激しい作用を引き起こす過程が明らかになった。
研究グループは「研究をさらに発展させるとともに、気象現象、地震、津波などと電離圏変動との関係の解明を目指す」としている。