ヒョウモンダコ
長崎大学の山手佑太助教らの研究グループは猛毒であるテトロドキシンを持つ「ヒョウモンダコ」が毒を体表から放出して、捕食者から自身を守るために使われていると判明している。
ヒョウモンダコは南西諸島(鹿児島・沖縄県)を除く福井県以南の浅瀬の岩礁などに生息するタコ。捕食者に噛み付きテトロドキシンを注入して身を守ったり、エサとなる生物を攻撃したりする。皮にも毒が含まれているが、その利用方法は不明であった。
グループは確認のため、ウツボとヒョウモンダコをアクリル板で隔てた同じ水槽で3日間飼育した。すると、筋肉と皮に含まれるテトロドキシン濃度が減少して、体表の粘液に検出された。自発的にテトロドキシンをまとい、捕食者から身を守っていると推測されている。
ウツボなどがヒョウモンダコを食べた時点でテトロドキシンを感知し、吐き出させる効果があると考えられている。
山手助教は「今回の研究により、ヒョウモンダコがテトロドキシンという強力な武器を使って、どのように生き残っているのかについて新しい知見が得られた」としている。