岐阜大学や関西電力などの共同グループは15日、電子カルテデータから、腎性貧血の新規治療薬「HIF-PH阻害薬」である『ロキサデュスタット』が甲状腺ホルモン検査値へ影響を与える一方、別のHIF-PH阻害薬である『ダプロデュスタット』は明らかな影響がみられないことを世界で初めて報告した。
検討では、ダプロデュスタットを使用している患者では投与前後で有意な甲状腺ホルモンの変化は確認されなかったが、ロキサデュスタットを使用している患者では甲状腺刺激ホルモン「TSH」と甲状腺機能「遊離T4」が低下。さらに、ロキサデュスタット群では、ダプロデュスタット群に比べ薬剤投与後遊離T4が低くなる例が多くみられた。
この結果として、ロキサデュスタット特有の事象として、投与後にTSHと遊離T4の低下を認められた。
研究チームは「単施設で後ろ向きにHIF-P阻害薬と甲状腺ホルモン検査値の関連について示したものであり、今後は前向き研究や基礎的な研究を通じて、HIF-PH阻害薬と甲状腺機能の関連についてより詳細な検討が必要である」と説明している。