九州大学
新潟大学と九州大学、日本原子力研究開発機構の研究グループは16日、国内10地点で温暖化による降水変化で起こる土壌の乾燥と湿潤によって地下から放出される二酸化炭素(CO2)量の変化を調べた。放出量は大きく増大すると認められている。
研究グループは国内10地点の森林から採取した土壌を感想と湿潤の繰り返しを模擬した場所で84日間培養。CO2放出量の変化を調査した。
その結果、全ての地点で放出量が増えて、変化しない条件と比較して最大で約4倍に大きくなっていた。微生物の減少が観測され、それが増加に寄与した可能性があるという。
また、⼟壌有機炭素の安定的な蓄積機構として重要と考えられる「活性⾦属―有機物錯体成分」が、乾燥と湿潤により微⽣物によって利⽤されやすい状態になることで、有機炭素が新たなCO2放出源となる可能性を⽰している。
研究グループは「温暖化による気象現象が⼟壌のCO2放出に及ぼす影響の詳細解明につながるものであり、地球環境の将来予測モデルの予測精度向上に資することが期待される」としている。
欧州地球科学連合(EGU)の科学誌「ソイル」に同日付で掲載されている。