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ウナギ稚魚、捕食者のエラから脱出  シラス段階から 長崎大

ドンコのエラから逃げるウナギの稚魚=提供:長崎大学の長谷川悠波助教、河端雄毅准教授

長崎大学の長谷川悠波助教と河端雄毅准教授は16日、ニホンウナギの稚魚が魚に飲み込まれた後に、エラから脱出できる成長段階を明らかにした。独科学誌「マリン・エコロジー・プログレス・シリーズ」で同日付で公開している。

長谷川助教らは先行研究でウナギは捕食されても、エラの隙間から抜け出して生き延びられると発見している。今回の実験では、ウナギの成魚になるまでの発達段階であるシラスウナギとクロコ、黄ウナギが捕食魚の「ドンコ」に食べられた際に、脱出できるかを調査した。

その結果、発達が進んでいないシラスウナギは出られなかったが、成長したシラスウナギとクロコ、黄ウナギはドンコの体内から逃げ出した。ウナギが河川に着底する段階と重なり、クロコと黄ウナギでその能力は急上昇していた。

捕食魚からの攻撃を回避するための重要な能力であると推測されている。長谷川助教は「未発達な飼育ウナギを育てて、段階ごとにデータを得るために3年をかかった」と紹介。「シラスウナギ期の途中で脱出が可能になるというきれいな結果に辿りつけた」と成果を伝えている。