北海道大学の石川健三名誉教授らの研究グループは15日、太陽コロナの内部で働くニュートリノと光の相互作用「電弱ホール効果」を理論的に解明し、これがニュートリノのエネルギーを光のエネルギーに変換し、太陽コロナに多量の熱を供給することを示したと発表した。太陽コロナ中のニュートリノの電磁遷移を解明したとしている。
ニュートリノは物質や宇宙を構成する素粒子。これまで、太陽中心部でつくられるものの、太陽コロナや地球内部を素通りすると考えられてきた。だが、今回の研究で、太陽中心部でつくられた後、一部がコロナを通過する際、光と軽いニュートリノに崩壊すると分かった。
これは新たな相互作用である電弱ホール効果によるもの。この効果により、重いニュートリノが崩れて、軽いニュートリノの光となる。ニュートリノの光遷移の振幅は、従来よりも20桁以上大きく、時空座標に対する特異な不変性を持つと分かった
その結果、ニュートリノの光崩壊が大きく増幅した。電弱統一理論において、ニュートリノと光の間には、きわめて弱い相互作用が働くため、現実の物理現象には無関係であるとみなされてきたが、磁気プラズマ中では弱くない相互作用がもたらされると明らかになった。
石川名誉教授は今後について「近い将来行われるであろう、大規模な測定機器を使っての検証に期待している」と話した。