岡山大学
岡山大学の佐古貴紀大学院生らや高知大学、東京科学大学の研究チームは先月30日付で、火星で地下氷が豊富に存在する場所を推定することに世界で初めて成功したと発表した。2040年代に計画される火星有人着陸探査で水資源として利用可能だとしている。
現在の火星は地表に液体は存在していない。だが、約40億年前には大きな海が広がる環境であったと考えられており、現在も数十センチほどの地下で永久凍土の形で残っているとされている。有人着陸探査で有用な資源になると考えられ、どこにどれだけ分布しているのかの把握が求められている。
火星を周回するNASAの探査機「マーズ・リコネッサンス・オービター」による衛生画像4789枚を観察すると、永久凍土地帯に広がる周氷河地形の存在を確認。特に東側に位置する「アラビア台地」「ユートピア平原」「アマゾニス平原」に密集していると判明している。
ユートピア平原の地形はカナダにある地下氷が減少したタイプのものと似ており、現在までに地下氷が大きく減少している可能性が推察されている。一方で、それぞれの地帯で氷量が多いタイプの地形も見つかっているという。
研究グループは「研究結果は、JAXAの火星着陸探査機の着陸候補地の選定においても、重要なデータとして活用されると期待できる」としている。