ウラウチコダマカワザンショウ
岡山大学の福田宏准教授と沖縄県海洋深層水研究所の久保弘文元所長らは、新種の巻貝「ウラウチコダマカワザンショウ」を発表した。西表島と石垣島のマングローブが生える場に生息しているという。石垣島のゴルフ場設立計画により、同種の生息が危機に瀕していると訴えている。
ウラウチコダマカワザンショウは大きさ1ミリ程度の小さな貝。大きな目を持ち、貝殻の口部分に突起があることが特徴だという。研究が発展途上のカワザンショウ科に属し、日本には50種以上の未記載種の存在が指摘されている。
1998年に西表島の仲間川で初めて発見されていたが、これまで学名が未記載のままであった。
福田准教授は「石垣島でゴルフ場建設が計画されている下流に、ウラウチコダマカワザンショウの個体群が存在する」と指摘。「排出される汚水や河口に流出する土により、死滅する恐れがある」として危険性を説明し、「今回の新種のような、直接人間の生活に関わりのない、知られざる種の保全こそが重要だ」としている。