広島大学の田城翼助教らのグループは、太ももの裏にある筋肉群であるハムストリングの状態を客観視できる日本語版の「選手立脚型指標」(HaOS)を製作した。肉離れの再発防止や競技復帰までのフォローアップに活用できるという。
ハムストリングは歩いたり、走ったりする際に動かす太もも裏の筋肉で、ほとんど全てのスポーツで使われる。だが、ハムストリングの肉離れは、減少していない。グループは海外で有効性が示されているHaOSの活用可能性を検証した。
HaOSは19の質問からなる指標。「スポーツ活動中の症状」と「張りの程度」、「痛みの程度」、「活動の制限」、「不安や自信」の5項目と総得点から評価し、日本語を母語とする学生233人を対象に有用性を確認した。
その結果、HaOSに高い信頼性があると分かっている。既往者の「不安や自信」が回数に関わらず低い値となっていた。研究グループは「将来的には、日本語版 HaOSを競技復帰基準としての一指標、そしてスポーツ現場での定期的なモニタリングによる傷害予防へと普及させていきたい」としている。