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紅こうじの腎障害、「ファンコニー症候群」が主要病態 腎機能障害の再調査必要 阪大

松井功講師

大阪大学の松井功(まつい・いさお)講師らの研究グループは、紅こうじ関連製品を接種した後に生じた腎障害の調査を実施した。腎臓の尿細管が障害される「ファンコニー症候群」が主要な病態であると明らかにしている。だが、症候群が改善しても、腎機能障害の継続が見られることから再調査の必要性を7日に訴えた。

調査では昨年3月27~4月30日まで日本腎臓学会の会員を対象にアンケートを実施。192人から回答を得た。その後、114人が5月から経過を調べる2度目の調査を実施している。

その結果、95.3%の会員に腎機能障害が認められ、ファンコニー症候群が確認された。2回目の検査を行ったところ、ファンコニー症候群はほとんどの患者で改善したが、何らかの要因で腎機能障害が約9割で持続していたという。

障害のある患者の体内では血液から尿を作る「ネフロン」が減少したことで、老廃物を捨てる働きが落ちているという。松井講師は「鎮痛剤を飲むなど腎臓に負担をかける行動は避けるべき」と指摘している。

猪阪善隆教授

チームの一員で同大の猪阪善隆(いさか・よしたか)教授は「腎機能が低下したままの患者さんが多く見受けられた。これらの患者さんの今後の転帰については、改めて調査が必要である」としている。