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メタボ健診 糖尿病と高血圧の発症リスクを減少 東京理科大など

東京理科大学

静岡社会健康医学大学院大学の竹内正人教授と東京理科大学の篠崎智大准教授、京都大学の川上浩司教授らのチームは21日、特定健診(メタボ検診)を受けた人は糖尿病と高血圧の発症リスクが0.9倍になると発表している。

メタボ健診は腹回りの肥満に焦点を当てて関連する高血圧などの生活習慣病を抽出して、発症を予防する取り組みだ。だが、健診の予防効果がどの程度であるのかは検討されてこなかった。

研究グループは生活習慣病と診断されていない29万3174人を10年間追跡した。

その結果、糖尿病と高血圧の発症の有無を調べたところ、発症する確率は健診ありで10.6%、なしで11.4%だった。その要因を確認すると、健診を受けた人はそうでない人よりも糖尿病と高血圧の発症割合が0.9倍に少なくなった。

グループは「糖尿病や高血圧は本人や家族に対する疾病負担を強いるのみでなく、社会的にも医療費増加の要因となる」と指摘。「研究では特定健診の効果を示すことができた。健診を受けていない人に受検を促すことは生活習慣病の予防対策として重要である」としている。