浜松医科大学
国立精神・神経医療研究センターの高橋長秀部長と浜松医科大学の奥村明美助教らの研究グループは24日、注意欠如・多動症(ADHD)の遺伝的リスクは子どものゲーム利用時間に影響を与えていると解明した。
ADHDの傾向がある子どもはゲーム障害の発症リスクが高いと知られるが、ゲーム利用時間が長いからADHDになっているという研究者も存在する。グループはゲームとADHDの関係を分析した。
研究グループは3~9歳の636人の子どもを対象にゲーム利用時間を調べ、さらに全員のADHD発症リスクを調査した。
その結果、ゲーム利用時間には「それほど長くない」(77.6%)と「中程度かつ徐々に増える傾向」(21.1%)、「より顕著に増加した」(1.3%)という3つの傾向が見られた。「より顕著に増加した」集団は、遺伝的にADHDの傾向が強いと分かっている。
グループは「ADHDに関連した遺伝子の変化を持つことでゲーム利用時間が長くなることを示唆する」と評価。「今回の研究は子どもの発達とゲーム利用時間について、遺伝的リスクの役割を理解するための重要な一歩だ」としている。