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希少種「ヒメシジミ」など 韓国初の昆虫学者 石宙明の標本129個体を発見 九大

九州大学(同大提供)

九州大学と韓国国立生物資源館の共同調査で韓国初の昆虫学者の石宙明(ソク・チュミョン)の昆虫標本が、九大の大学院農学研究院に保管されていたことが判明した。石が1930年代に寄贈していたものとされている。

石は75 万体のチョウの標本を収集したが、ほとんどが朝鮮戦争で焼失し、現存するのはわずか32 体のみとされている。

農学研究院からは昆虫標本35種129個体が発見。ヘビトンボ目やアミメカゲ目、カメムシ目などが保存され、中には希少種「ヒメシジミ」や個体が減っている「チョウセンキバネツノトンボ」が含まれていたという。

調査を行った九大の廣渡俊哉(ひろわたり・としや)特任教授は「多くの石宙明標本を確認され、韓国に移管されたことは大変喜ばしい。これを機に、両国の共同研究がさらに進展するとよい」としている。