ニホンアカガエルのオタマジャクシを捕食するアメリカザリガニ
岡山大学の中田和義教授らのグループは今年10月、アメリカザリガニが日本の固有種「ニホンアカガエル」の卵とオタマジャクシを捕食することを明らかにした。他種のカエルやサンショウウオ、イモリなども好んで食べる可能性を示唆している。
岡山県ではアメリカザリガニが定着した後、絶滅危惧種「ナゴヤダルマガエル」の生息数が減少すると指摘されていた。だが、その理由は十分に検討されていなかった。そこで、グループは同ザリガニがカエルの卵や子どもを食べるという仮説を立てて検証した。
同ザリガニとカエルの卵、オタマジャクシを同居させる実験を実施した。その結果、エサになった割合は約9割に上り、隠れ家を加えてもおよそ8割が仕留められた。同ザリガニのサイズでカエルたちの生存率に変化はなく、小型の個体に対してのみ隠れ家が有効であると認められている。
グループは「絶滅危惧種を含む両生類の個体群保全においては、アメリカザリガニの侵入防止や迅速な駆除策が必要不可欠となることを示している」と指摘している。