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横市大研究Gが可能性提示「ICG用いた蛍光観察による評価の推奨」

横浜市立大学の伊知朗教授らの研究グループは、腹腔鏡手術を受ける直腸がん患者さんの術後合併症である縫合不全予防において、インドシアニングリーン(ICG)という薬剤を用いた蛍光観察による腸管血流評価の有効性を検証するEssentiAL試験を実施した。試験の結果により、直腸がん術後縫合不全予防に対する標準治療として、ICGを用いた蛍光観察による腸管血流評価を施行することが推奨される可能性を示した。

EssentiAL試験は、腹腔鏡手術を受ける直腸がん患者さんの術後合併症である縫合不全予防で、ICGを用いた蛍光観察による腸管血流評価の有効性を検証する多施設共同第Ⅲ相ランダム化比較試験だ。

評価項目は、縫合不全発生率とし、ICGを用いた蛍光観察による腸管血流評価の縫合不全発生率における優越性を検証するとした。対象の主な組み入れ規準は、年齢が20歳以上。ステージ0からIIIの根治的切除可能な肛門から12センチ以内の直腸がんと診断、腹腔鏡手術を施行し腸管のふんごうを予定しており、全身状態が良好である、十分な臓器機能を有する人とした。

試験では統計学的にICG群で縫合不全発生率が低下することが示された。また、再手術率もICG群で、統計学的に有意に低率。安全性に関しては、ICG群においてICG投与による有害事象は認められなかった。

研究グループは今後について、「ICGを用いた蛍光観察による腸管血流評価を用いることで、より多くの患者さんの直腸がん術後縫合不全を予防できることが期待できる。縫合不全の予防は、重症感染症による入院期間の延長や人工肛門造設による生活の質の低下を防げるだろう」としている。