九州大学の山崎仁丈教授らの研究グループは14日、大阪大学などと共同で、計算とデータ科学を用いてプロトン伝導性酸化物の設計指針を構築し、一度の実験で非従来型プロトン伝導性酸化物を複数合成することに成功したと発表した。この技術を利用した個体酸化物形燃料電池(SOFC)の開発進展が見込まれる。プロトン伝導性酸化物は、〝材料内部で水素の陽イオンであるプロトン(H+、陽子)が伝導可能な酸化物〟
研究グループは材料科学シミュレーションと機械学習モデルを用いることで材料中にプロトンを導入するための設計指針を提案した。これに基づき試行したところ、合成することに成功した。その中には世界で初めてのプロトン伝導性酸化物も含まれるという。
山崎教授は「極めて難しい非ペロプスカイト系プロトン伝導性酸化物の発見を効率的にできる手法開発に成功した。本手法を拡張することで、カーボンニュートラル社会の実現に貢献できるのが楽しみだ」と話した。