大阪公立大学とパナソニックの共同研究グループは先月、ヒトのだ液に含まれる「アミラーゼ」と「ムチン」が新型コロナウイルスの不活性化効果を低下させると確認した。だ液の有機物が新型コロナへの効果をどの程度弱めるかを評価した世界で初めての報告だという。
牛のげっぷによる発生で知られるオゾンを水に溶かした「オゾン水」は、新型コロナウイルスへの不活性化効果が知られる。だが、オゾン水は有機物と反応すると分解されるため、口に含んでも飛沫物につくウイルスへの効果は落ちる。グループは付着したウイルスに対する影響を調べている。
感染したウイルスはだ液に含まれるため、その中の有機物がオゾン水にどれほど影響するかを分析した。主要な有機成分であるアミラーゼとムチン、尿素に着目。オゾンを分解する力を調べた。
その結果、アミラーゼとムチンは濃度が高くなるにつれてオゾンを分解したが、尿素による変化はなかった。さらに、オゾン水の濃度を大きくすることで不活性化効果は改善されたという。
両者は「今後は個人ごとのだ液の特性の包括的な研究により、だ液に含まれるウイルス不活化のための、オゾン水の最適な適用方法の解明につながることが期待される」としている。