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自然機構の研究Gが検証 「複雑有機分子が低温の分子雲内で構築される過程」

自然科学研究機構アストロバイオロジーセンターの小松勇特任研究員と国立天文台の古家健次特任助教らは13日、ジメチルエーテルとギ酸メチルについて極低温の分子雲内で反応が進行する経路を発見した。複雑有機分子が低温の分子雲内で構築される過程を量子化学計算で検証した。

極低温下におけるジメチルエーテルとギ酸の生成過程を明らかにするため、化学反応経路自動経路探索法を用いて、それぞれの分子が電子基底状態のままエネルギー的に生成されやすい経路を調べた。

その結果、どちらの分子についても反応障壁のない気相発熱反応による生成経路が発見された。これにより、複雑有機分子が極低温でも生み出される方法が推測され、複雑有機分子がどう生まれているのかを解明する上で基礎的な指針となる。

古谷特任助教らは「今後は得られた有望な反応ネットワークと反応速度式に基づくモデルを接続して、星間空間における複雑有機分子の量を推定することも重要」と指摘。「ダスト表面反応について同様な研究を行うことは量子化学計算による評価として有用」とした。