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世界2番目に古い貝殻混入土器を発見 異物痕も最古級 X線CTで新たに解明

元岡遺跡から出土した土器から確認された巻貝の破片

熊本大学の小畑弘己(おばた・ひろき)教授らのグループは11日、X線 CT スキャナーを使って縄文土器の混和物の調査を行った。珍しい貝殻を混入した縄文時代の土器群と異物混入により穴があく「圧痕」の最古級のものを発見したという。土器を新技術で調査することで、新たな発見につながる可能性を指摘している。

分析の結果、大原D遺跡(福岡市)や元岡・ 桑原遺跡群(同)で、巻貝「カワニナ」の貝殻が混ざった約1万年前の土器が確認された。これは中国で発見された約1万3000年前の土器の次に古い例だという。貝殻混入土器は強度を高める利点があり、二枚貝ではなく巻貝が使われる事例は稀。

さらに、元岡遺跡の土器からダイズとアズキ亜属種子の圧痕を発見。王子山遺跡(都城市)に続いて過去2番目に古い圧痕になるという。

グループは「は縄文土器としては極めて珍しい1万年前の貝殻混入土器や九州地方で最古級のマメ類圧痕を発見した」と意義を伝え、既に確認された資料も新技術で再確認することで新しい発見をすることができると報告している。