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一級河川上位、日本の漂流プラゴミ回収量の半分 東京理科大

東京理科大学

東京理科大学の田中衛(たなか・まもる)助教らのグループは、日本全国の河川清掃で年間1000トンのプラスチックごみが回収されていると明らかにした。全国規模でプラスチックごみが回収されている量を評価した初めての研究となるという。

自然環境に流出したプラスチックごみは微細化してマイクロプラスチックとなる。分解には長い年月がかかり、人体への影響も懸念されている。

研究グループは2016~20年度に109の一級河川のデータを分析。発見されたごみは「プラスチック・紙等」と「粗大ごみ等」、「流木・水草等」、「その他」の4種類に分類している。

その結果、淀川水系と吉野川水系、利根川水系など上位7水系で収集されたものが全国の回収量の半分を占めた。清掃活動に参加する人が多いほど、集められる量も多くなる傾向があったという。

グループは「河川からの回収量の評価は、海洋マイクロプラスチック汚染の低減に向けた重要な知見だ」と示し、「市民によるプラスチックごみ回収の重要性が示された」としている。さらに、卒業した岡田友萌菜さんが研究の大部分を行ったと讃えた。