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75年前に北海道で発見されたイシノミは何? 研究価値が高いコジマイシノミと判明

(左)コジマイシノミ(右)同種の生殖器

筑波大学と名城大学の研究グループは4日、75年前に北海道厚岸町で発見された正体不明のイシノミが「ヤマトイシノミモドキ」属と判明したと発表した。和名はコジマイシノミ。この虫は現在も初期の交尾方法である間接交尾を行っており、研究価値の高い生物だという。

イシノミは15ミリ程度の昆虫で、湿った岩肌や樹皮に生息しており緑藻を主食とする。グループは厚岸町でイシノミを採集。紀伊半島と八丈島、サハリンなどで数種が確認されているのみの「ヤマトイシノミモドキ」属であり、和名はコジマイシノミであると明らかになった。

ほとんどの昆虫は交尾により受精するが、イシノミは交尾器が発達しておらずオスが置いた精包をメスが拾い上げて間接移精を行う。交尾方法が発達する前の初期段階にあり、大変貴重な種だという。

チームは「コジマイシノミの配偶⾏動について動画による検討を続けており、今後その詳細を明らかにするとともに、昆⾍類が交尾を獲得する進化のプロセスに関する考察を進める予定」と説明している。