順天堂大学
順天堂大学の中島円准教授と電気通信大学の坂本真樹教授らのグループは、「ぬるぬる」や「つるつる」といったオノマトペを使った検査で患者に心理的負担をかけずに認知機能の低下を発見できるツールを開発したと発表している。
認知症の治療には早期の発見が大切だが、診断されることへの恐れから受信を遅れさせることもある。グループは質感のオノマトペに注目した診断ツールを開発した。
研究では認知症と判断された102人を対象に質感オノマトペ(SSWTR)検査を実施。12枚の写真を提示し、ふとんの画像なら「ふわふわ」などという感触イメージを8つの選択肢から選んでもらった。
その結果、SSWTRは10分以内の短時間で行うことができ、他の心理検査と中程度の相関が認められたとしている。時間と手間を減らすことで、被験者の心理的ストレスも減少させられるという。
中島准教授らは「汎用性の高いこのツールは、一般の人にゲーム感覚で広く使用していただくことで、認知症早期の発見を促すことが予想される。ウェブ上で回答できるツールとして実装しているため、どこでも広く本検査を実施することができる」としている。