東北大学
東北大学の5人の研究者らによる「“スペイン風邪”文理連携勉強会」は、1918~20年に流行したスペイン風邪が流行った当時の医療業界誌「日本之医界」を分析した。当時の医学界ではインフルエンザ説が有力で、それはマスコミと研究者の関係が一因だったと4日に発表している。
調査によると、病原体の可能性として「インフルエンザ菌」と「肺炎双球菌」、「不可視的超顕微鏡的微生物」の3説がスペイン風邪の原因として議論されていたと説明。日本之医界で編集長である土屋清三郎とインフルエンザを発見した北里柴三郎の懇意な関係性から、業界紙がインフルエンザ説に強く肩入れした報道姿勢があったという。
勉強会は「新型コロナウイルス感染症パンデミック時にも、同様の状況が発生していたかもしれない。大正時代の医学界がスペイン風邪にどのように対応したかを医学・歴史学連携で読み解いた本研究は、現代のパンデミックへの対応に関しても示唆を与える」とコメントしている。