文教速報デジタル版

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樹高が長い松ほど津波に強い 見た目から根の潜り具合を推定可 名大など5大学

(A)根が浅くて低い松(B)根が深くて高い松のイメージ

名古屋大学の平野恭弘(ひらの・やすひろ)准教授らと福知山公立大学、京都大学など5機関からなる研究グループは先月27日、海岸に生えるクロマツは高くなるほど根が深いことを明らかにした。

海岸では強風や津波からの被害を減らすために、クロマツが植栽されている。根が深くなるほど倒れにくくなり減災機能が向上するが、それを調べることは困難だ。根の深さを見た目から判断できるかどうかやデジタル解析が可能であるかを調べた。

グループは愛知県田原市で根の深さと樹高の関係性を測定。上に大きく伸びている固体ほど、根も深く潜っていると確認された。この関係性はクロマツ43個体で成立。さらに、根系構造のデジタルモデルを作成することでデジタル画面で三次元構造として再現することが可能であると証明した。複雑な構造の再解析やデータ保存に役立つとしている。

平野准教授らは減災機能を高めるために「土壌を軟らかくしたり、水はけをよくしたりして根を深く誘導する必要がある」と指摘。クロマツが成長しやすい土地を管理する方法を検討していく必要があるとしている。