(左)⽊村勇気教授とロケット頭胴部(右)打ち上げ直後の観測ロケット MASER 16、ニュースリリースより
北海道大学の木村勇気教授らの研究チームは26日、スウェーデン宇宙公社の観測ロケット「MASER 16」をスウェーデンのエスレンジ宇宙センターから打ち上げた。カーボンダスト生成過程の解明につながる情報を得ることに成功し、宇宙の中での物質進化の解明に貢献するという。
カーボンダストは星の欠片の一種でナノメートルの微粒子。太陽系ができた約46億年前よりも昔に、生成された星の材料とされる。
グループはカーボンダストが天体のガス中で生成されるプロセスを模した実験を実施。ガスの冷却速度と炭素の原子同士の衝突頻度を天体周辺の宇宙ダストの生成過程と同じにする実験を行った。
その結果、カーボンダストの⽣成過程を理解するために重要な⼆つの物理量「表⾯⾃由エネルギー」「付着確率」の決定につながるデータを得られたという。その内容は数カ月かけて解析を行い、論文として公表するとしている。
◇ナノメートル
ナノメートル(nm)は 1 メートルの 10 億分の 1 を表す単位。宇宙ダストは髪の毛の太さの1000分の1程度とされる。