岡山大学
岡山大学の松本正和准教授と中国の浙江大学の研究チームは、70度の角度をもつ五方両錐形や正二十面体形の氷の粒が生じることを突き止めた。人工雨を降らせるための薬剤にも利用できる可能性があるという。
地上に降る雪からは二つの雪片が70度でくっついた双子の結晶が見つかることがある。これは、生まれたときからその角度だけ傾いた結晶が、同時に成長したことを示しているという。だが、氷の粒がどのような形であれば、そのようになるのかは分かっていなかった。
研究グループはナノスケールの水滴が凍る過程を計算機で調べたところ、70度の角度がある五方両錐形や正二十面体形の氷の粒が発生することを発見した。この形であると、内部は不安定だが、安定した表面構造を多く露出することが可能であり、角度が70度の氷晶ができると予測されたという。
チームは「人工雨を降らせる際に雲に散布して氷の核ができるのを促す『発核剤』の分子設計にも役立つかもしれない」とコメントしている。