文教速報デジタル版

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ラッコのエサ構成 赤潮で一時的変化 ウニ減少後に回復 二枚貝増 北大など

北海道大学

京都⼤学の三⾕曜⼦教授と北海道⼤学の鈴⽊⼀平博⼠、米テキサス A&M ⼤学の Randall W. Davis 教授らのグループは25日、赤潮によるラッコの捕食行動変化を調べた結果を公表した。エサとなる生物からウニがなくなり、二枚貝が増えると判明している。

北海道東部では長い間絶滅していたラッコが再定着しつつある。そうした中でグループは、大規模な赤潮がラッコにどのような影響を与え、どの程度の回復力を持つのかを調査した。2020~23年にラッコの捕食行動とエサとしている海底に生息する生物の密度を調べ、赤潮前の20~21年と直後の22~23年の期間で定量化している。

その結果、赤潮直後は食べたエサからウニが消失し、生息するウニも減少していた。食べられるウニが減った分、二枚貝の割合は赤潮前から倍増していた。が、1年後にはウニの捕食割合は元に戻り、貝の数もそれに合わせて減っていた。

グループは「⼤規模な⾚潮による影響があったとしても、餌⽣物の構成の変化は⼀時的なものであることも⽰された」と発表。「⼤きな影響がもたらされる地球規模の気候変動に対する海洋⾼次捕⾷者への影響を調べるため、今後もラッコの採餌⽣態のモニタリングを継続していきたい」としている。