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過眠症「ナルコレプシー」改善に貢献 脳内ヒスタミンの増加がカギ 北大など4大学

研究イメージ図

北海道⼤学と岩⼿医科⼤学、米ハーバード大学、筑波⼤学の研究グループは、過眠症の一つ「ナルコレプシー」の改善につながる研究成果を発表した。新たな創薬研究につなげ、過眠症治療薬の開発に貢献できそうだ。

ナルコレプシーは急な眠気に襲われ、自信で制御できずに眠ってしまう睡眠障害だ。原因は脳のヒスタミン量の低下とされている。グループは阻害薬を用いて、マウスの脳内ヒスタミン量を増やす実験を行った。

ヒスタミン量の低下を防ぐ「メトプリン」を投与すると、脳内ヒスタミンが2倍に増加し、マウスは長時間覚醒した。次にナルコレプシーと似た症状を持つ病態マウスに同薬を与えたところ、過眠症状がほとんど完全に消失したという。

グループは「ヒスタミンを減らす酵素を阻害する薬がナルコレプシーにおける過眠症状の改善に有効であることが明らかとなった」と説明している。