(左)羽生宏人・観測ロケット実験グループグループ長(右)名古屋大学の笠原次郎教授
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は14日午前11時30分、新たなエンジンを搭載した観測ロケット「S-520-34号機」を内之浦宇宙空間観測所(鹿児島県)から打ち上げた。液体を使ってロケットを軽量化できる「デトネーションエンジン」の実験に世界で初めて成功している。
S-520-34号機の打ち上げは、液体推進デトネーションエンジンシステムの燃焼と推進性能のデータ取得を目的としていた。JAXAによると、高度217キロ地点に到達して、459秒で内之浦南東海上に着水したという。
チームはシステムの設計確立と飛行実験実施、エンジンの作動確認を最低限の目標としており、それぞれ達成した。エンジンによる推力発生や燃焼状態も確認中だ。
研究グループの一員で名古屋大学の笠原次郎教授は「多くの皆様の協力により成功できた。心から御礼申し上げる」と感謝を述べた。「今後はより大型のエンジンの応用やより高度な実験研究に使わせていただく可能性もある」とコメントしている。