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2018年の広島豪雨 飲用可能井戸が自治体給水所を上回る 有用な井戸調査を提言 大阪公立大

生活用水として使われた呉市の井戸

大阪公立大学の遠藤崇浩教授は今月、2018年7月の豪雨で断水被害を受けた広島県呉市を対象に災害時における地下水利用の実態調査を実施した。その結果、井戸が自治体の給水活動を補完する効果をもっていると明らかになった。飲用可能な井戸を割り出すための水質検査の実施などを提言している。

災害時に地域にあるさまざまな井戸を共助利用する防災井戸。断水時の水源として有望視されているが、データ不足からその実態は分かっていなかった。

調査により、広島県が地下水の無償検査を豪雨が起きた同年同月10~25日まで行って、約470件の申請があったと判明した。

それによると、「飲用可」が171件、「沸騰して飲用可」が72件。「飲用不可」は227件で、飲める水がそうでない水を上回った。また、飲むために使えなくても、生活用水としては井戸水が有用であると確認されている。

遠藤教授は「断水期間の自治体給水所は最大でも1日60カ所であった」と紹介。「井戸水の水質検査の申請件数はこれを上回り、民間井戸の活用は自治体の給水活動を補完する効果をもっていた」と発表している。