千葉大学の河口謙二郎特任助教らの研究グループは12日、高齢者の社会参加を促すアプリの効果を検証する実験を行ったと発表した。その結果、2カ月間で社会参加頻度が3回上昇したとしている。スマートフォンアプリが高齢者に社会参加を促すためのツールとなる可能性を示した。
近年、スマホのアプリを利用した健康増進の取り組みが注目されている。一方で、高齢者の社会参加を促進するアプリの効果は十分な検証が行われていない。
研究グループは日常的に通話アプリ「LINE」などを利用する高齢者179人を対象に、社会参加を促すアプリの活用群とそうでないグループに分けて、12週間にわたって比較検証をした。両群ともに歩数計測アプリも使ってもらった。
その結果、参加者のうち比較期間中に1回は1日の歩数を記録。アプリ利用群は社会参加頻度が多くなり、特に趣味と学習で増加が認められたという。グループは「今後は、アプリの長期的な利用に関する効果の検証が求められる」とした。