実験イメージ
京都大学と秋田県立大学の研究チームは、数学の問題を解かせることによりチンパンジーのパフォーマンスを6年間記録した。その結果、成績は聴衆に影響されることが分かっている。観客が精神的ストレスや集中力に影響を与えた可能性が指摘された。8日付の学術誌「アイサイエンス」に掲載されている。
チームは京大の霊長類研究所(愛知県)に暮らす6頭の数字を覚えたチンパンジーに、難易度の異なる数字課題9219問を解かせた。見学者の人数や種類によって、成績に影響が見られるのかを評価した。
すると、難しい問題である「画面上のランダムな場所に配置された複数の数字を素早く記憶する」という課題は、人数が増えるほど成績が上がった。一方で、簡単な課題「提示された複数の数字を小さい方から順番に押す問題」は人数が多いほど低下したという。
チームは「興味深いのは聴衆と難易度によってパフォーマンスが異なること」と説明。観客が精神や集中力に影響を与えた可能性について調べていくことが今後の課題だとしている。