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1998~2012年に気温上昇が小さかった原因は? ラニーニャ現象による冷却 JAMSTECなど

海洋研究開発機構(JAMSTEC)と国立環境研究所は、1998 ~ 2012 年に平均気温の上昇が遅くなった要因を分析した。1日、この14年間について、赤道付近の海面水温が低くなるラニーニャ現象が温暖化の影響を小さくしていたと発表した。同日付の科学誌に掲載されている。

14年間は世界の平均地表気温の上昇速度が遅くなったことが知られており、「ハイエイタス」などと呼ばれている。

研究グループはシミュレーションモデルを利用して、ハイエイタスと1951~2012年を比較した。すると、二酸化炭素(CO2)とエアロゾル、火山活動が世界の気温を増加させた一方で、ラニーニャによる冷却効果がそれを抑えていたと判明した。

温暖化スピードを減速させた原因の程度の割合として、半分は冷却効果、26%は太陽活動の低下、24%は温室効果ガスの排出抑制としている。

グループは「将来の気候危機を防ぐためには、CO2だけでなくすべての温室効果ガスの削減が重要であるということを示唆している」と評価した。