二酸化炭素濃度を評価する気象タワー
大阪公立大学と信州大学、新潟大学のグループは、米アラスカの凍土上の森林で二酸化炭素(CO2)の放出と吸収量を20年分観測した。凍土林の観測としては世界最長だという。2013~23年の吸収量は、降水量と光合成量の増加で、その10年前より約20%増えていたと発表している。
研究グループは森林のCO2の吸収・放出量を30分ごとにリアルタイム計測できる手法を用いて、03年から観測している。吸収量は03~13年よりも、13~23年が2割大きかった要因を降水量の増大とCO2濃度の上昇により光合成が増えたことにあると突き止めた。
大阪公立大の植山雅仁(うえやま・まさひと)准教授は「過酷な環境にさらされる観測システムを20年以上に渡って維持管理して高品質なデータを蓄積させることには、相当の忍耐を要した」と紹介。「温暖化予測モデルの検証や改良に役立つことで、温暖化予測の精度の向上が期待される」としている。