横浜市立大学の押正徳助教らの研究グループは、米ロズウェルパーク総合がんセンターと共同して若年世代の乳がんが、他年齢層と異なる特徴があると証明した。40歳未満の乳がん患者の予後不良の原因究明に貢献しており、新たな治療戦略にも寄与するかもしれない。
40歳未満の乳がん患者の予後は、他の年齢と比較して不良である報告が多いが、その理由は分かっていない。
研究グループは40歳未満の「AYAグループ」と40~55歳未満の「閉経前グループ」、55~65歳未満の「閉経後グループ」、65歳以上の「高齢者グループ」に分けて計5000人以上の比較検討を行った。
その結果、AYA世代の女性ホルモンで増殖する乳がんの予後は他年齢層よりも悪いこと、同世代乳がんは細胞増殖伝達経路が他の年齢グループよりも高い活性状態にあることなどが判明している。
研究グループは「治療戦略の最適化・新規薬剤の開発を推進していくことが期待される」と表現。「若年世代乳がん患者の予後改善や副作用回避は、女性の社会進出が進む現代において社会全体の生産性向上に寄与できる」とコメントしている。