産業技術総合研究所の福⽥隆史・総括研究主幹らと金沢大学のグループは28日、水洗トイレから発生する飛沫(ひまつ)の挙動を可視化した。エアロゾルの影響を受けないためには約20㎝離れた上で、便器を動かすとよいという。
研究グループは部屋の湿度やふたの開閉によるエアロゾルの拡がり方と水洗で飛ぶウイルス量の測定を行った。模擬ウイルス試料を作成し、便器内でふたを閉めて水洗する実験を実施している。
その結果、水で流すと、ウイルスは2分の1が便器の中で拡散。便器の外へは内の10万分の1ほどが出てきた。調査によると、15㎝程度までエアロゾルとしてウイルスが拡散する可能性があり、その影響を受けないためにはそれだけの距離を離れて操作する必要があると示された。
研究グループは「世界をリードしている⽇本のトイレをさらに進化させるため、共に研究を推進するパートナー企業を募り、衛⽣度という新たな付加価値を備えた便器の開発と社会実装を進めていきたい」としている。