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歯科用麻酔剤「アルチカイン」を承認 大学中心の試験は稀 岡山大教授が主導

岡山大学の宮脇卓也教授は歯科用の局所麻酔剤「アルチカイン」の製造販売承認を得た。医薬品の開発における第1~3相までの3段階をアカデミアが主導することは稀だという。

日本では3種類の局所麻酔剤が使用されている。だが、欧米の5種類と比較して少数。アルチカインは世界で広く使用されている麻酔剤であったが、国内で利用することはできなかった。

宮脇教授らは一般の人に対する安全を確認する「第一相試験」と少数の症例の患者で確かめる「第二相試験」、実際の使用を想定する「第三相試験」を実施。それぞれを通過して、製薬企業ジーシー薬品が製造販売の申請を厚生労働省へ行い9月に承認されている。

宮脇教授は「ほとんどの病院で(新型コロナウイルス感染症禍で)訪問制限もある中でもブレずに試験を実施できたのは、やはり新しい選択肢への強い思いが共有できていたのかと感じます。 ご協力いただいた各施設、また被験者のみなさんに深くお礼を申し上げる次第です」としている。