(左から)順天堂大の石川大・准教授、服部信孝・主任教授、波田野琢・先任准教授、メタジェンセラビューティクスの中原拓CEO
順天堂大学とメタジェンセラピューティクスは21日、パーキンソン病の症状改善のための腸内細菌そう移植療法の共同開発を発表した。腸内の炎症がパーキンソン病発症のリスクになるとされている。腸の環境を整えるのみで、改善につながる可能性があり、将来的には経口カプセルの作成も検討しているという。
腸内細菌そうは腸内フローラとも呼ばれる細菌の集団。免疫に関わっている深くことが分かっている。細菌そうの移植療法は、健康な人の細菌を患者に移すというもの。難病である「潰瘍(かいよう)性大腸炎」の治療では、効果が報告されている。
共同研究は腸内細菌そうの移植療法がパーキンソン病患者にも有用であるかを明らかにすることを目的とする。
研究グループは「細菌そうの移植療法は消化器系疾患、がん関連疾患、神経系疾患などでも応用可能だ」と分析。「腸内細菌と神経変性疾患との関連が報告されていることから、パーキンソン病以外の認知症にも活用できる」と述べた。