筑波大学の田宮菜奈子教授らのグループは7日、茨城県で脂質異常が指摘された人の半年以内の受診率を分析した。その結果、受診率は2割に満たないと判明し、若者や男性、飲食習慣がある人が特にその可能性が高かったと分かっている。結果は未受診者に病院へ足を運ぶことを促すきっかけになることが期待されている。
脂質異常症は日本に220万人の患者がいるとされ、心筋梗塞や脳梗塞、認知症などを発症する可能性が高まるとされている。早急な対処が重要だが、受診者は健康診断で確認した人の15~20%にとどまっている。
研究では同県の医療保険レセプトデータを利用。2018年に特定検診を受けた40~74歳の受診した3万3503人のうち、約6カ月以内に受診した人の割合は18.1%だった。
未受診者の特性を調べると、若年者と弾性、飲酒習慣がある人、自覚症状がない、薬の処方がない人ほど医療機関を受診していなかったことが分かっている。
研究グループは「実際にどのように受診勧奨の方法を工夫すれば医療機関の未受診を減らすことができ、心筋梗塞、脳梗塞、認知症などを発症する人を減らせるのかを研究していく必要がある」としている。