宇宙航空研究開発機構(JAXA)は今月、「軌道利用の安全に係るレポート」を公表した。地球軌道上を回る物体は約3万個を超えるとされ、その分布や対策、軌道利用などについて計6項で紹介している。
レポートでは、軌道環境の最大原因は破砕事故と説明し、主な原因は「残留推進剤の爆発」「意図的破壊実験」「破砕要素を有する品目の不具合」「スペースデブリやメテオロイドの衝突」と記された。
この中で軌道にのっている物体の国別割合を紹介。米国が1万3217で最多。露など10カ国からなる独立国家共同体(CIS)が、中国の順で多かった。日本は321で6番目。
軌道上物体が増えていることから、JAXAは大気圏へ再突入する物体の増大が予想されていると指摘。宇宙船「こうのとり9号機」が投棄したパレットが燃え尽きず米国民家に落下したと説明し、「改善に向けた取り組みが必要だ」とした。