片頭痛のイメージ
慶応義塾大学の滝沢翼専任講師らのグループは、マウスを使って片頭痛の感受性を検討した。タバコの煙を吸わせたマウスは、吸引させていない集団と比較して、頭痛が大きくなると分かっている。
片頭痛は特に20~40代の女性に多い頭痛で脈打つような症状の頭痛とされる。光や音、においに敏感になり、吐き気をもよおすこともあるという。ストレスや睡眠不足、天気が因子とされ、受動喫煙もその一つと推測されているが、結論はでていなかった。
研究グループはオスとメスのマウスにタバコの煙を1時間吸わせた後で、曝露(ばくろ)しなかった同じ性別の集団と片頭痛の感受性を比較した。すると、オスでは差がなかったが、メスでは頭痛の感受性が高くなっていると認められた。
グループは「受動喫煙が片頭痛の誘発に関わる因子の一つである可能性を強く示した。今後も、未解明の誘発に関わる因子についてさらに多角的な研究を進め、片頭痛患者に対する生活指導や治療方針へ貢献したい」としている。