左から)JAXAの富田英一・プロジェクトマネージャー、久保田拓志・研究領域主幹、情報通信研究機構(NICT)の川村誠治・リモートセンシング研究室室長
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、今年5月に打ち上げられた雲やエアロゾルを観測する衛星「はくりゅう」の成果を伝える記者会見を開いた。精緻に雲を分析した初の「シナジー画像」を公開した。1つの衛星で高精度に高さの雲分布が分かったとしている。
はくりゅうは雲やエアロゾルの観測を行って気候変動予測の正確性の向上を目指している。雲やエアロゾルの高さ・形を観察する「ライダ」とそれらの水平分布を調べる「イメージャ」、雨の高さ・速さを調べる「プロファイリングレーダ」、放射収支エネルギーを調べる「放射収支計」という4つのセンサーを登載している点が特長だ。
JAXAは、はくりゅうで精緻な雲観測をした初めての結果を公表した。今年8月の台風10号を観測したと紹介。これまでよりも詳細な調査が可能になったとし、気候変動の解明や気象、大気予測の改善に貢献できるとしている。
JAXAの久保田拓志・研究領域主幹は「これまで違う衛星に載っているセンサが1つになることで正確になった」と話した。特に「雲の立体構造がより正確に分かりるようになった」と評価している。