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巻貝の新属「アコヤザラ属」を新設 ハナザラのタイプ標本190年ぶりに発見 京大などの国際研究チーム

(左)アコヤザラ(右)ハナザラ

京都大学とニュージーランド国立博物館、ロンドン自然史博物館、岡山大学の研究グループは、分類が混乱されていた巻貝「アコヤザラ」について近縁とされるハナザラ属との差異を明確化した。新属「アコヤザラ属」を創設している。さらに、研究中にハナザラを新種記載した際の標本がロンドン自然史博物館で190年ぶりに補足された。

アコヤザラは巻貝であるが、らせん状ではなく笠形の貝殻を持つ特異な種だ。大きさは1.5~2㎝で、波あたりが強い岩場や潮間帯に生息する。確認事例は少なく、分類上の位置に関する詳細な検討もされてこなかった。

研究グループはアコヤザラとハナザラの殻形態と形質を精査した。その結果、笠形の貝殻を持つ巻貝でありながら、両種は殻の高さ、色、触角の長さなどで明確に区別できることが判明した。アコヤザラを新たなタイプ腫アコヤザラ属として提唱している。

◇属

生物の分類階級の1つ。階級には界・門・綱・目・科・属・種があり、ヒト科ヒト属、ヒト科ゴリラ属のように同じ科の中で分類を区別する際に使われる。