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東日本大震災、数時間前にプレスリップ 震央から近いほどズレは拡大 京大

石川県穴水町、2024年3月7日=梅野健教授撮影

京都大学の梅野健教授らのグループは30日、2011年の東日本大震災の1~2時間前に1㎝のプレスリップが生じていたと発見した。震央から距離が近いほど地殻変動のずれが大きく、地震と関連する明確な異常を捉えることに初めて成功したとしている。研究成果は来月7日にギリシャで開かれる国際会議「EMSEV2024」で発表される。

梅野教授は「大地震1時間前の異常が、電離層だけでなく、地殻変動でも見つかった。これは、電離層の異常が地震の準備過程と無関係な物理事象ではなく、一定のメカニズムに従う相関する物理現象であることを示す結果だと考えられる」とコメント。

「まだまだ全貌はつかめた状態ではなく、今回初めてプレスリップとの関連で関連性が初めて見いだされたという段階。今後、更に研究を進めるとともに、1時間前のリアルタイムの異常検知に関しても産官学のフォーラムも組織化し、社会は1時間前に何をすべきかを考えていく」としている。