アイフィンガーガエル成体
名古屋大学の伊藤文大学院生と岡田泰和教授らのグループは25日、石垣島(沖縄県)などに生息するカエル「アイフィンガーガエル」はフンの排出量が非常に少ないと発見した。狭い水の中でアンモニア濃度を高めないための2つの生存戦略をとっているという。
アイフィンガーガエルは日本で唯一オタマジャクシを育てるカエルだ。幼生は樹木の切り株などの小さな水場で育ち、親が無精卵を生み、それを食べて成長する。大きさは4㎝程度。
小さな水場でフンをすると、アンモニアにより生物の生存率が下がる。グループはアイフィンガーガエルの幼生が腸内にフンをため込んでいることを発見。排出しないことで小さな水場の汚染を避ける生存戦略を獲得しているという仮説をたてた。
グループは研究によりアイフィンガーガエルが排出するアンモニア量は少なく、便として蓄積していると発見。さらに、他種と比べて塩化アンモニウム耐性が高いと分かっている。
2 種類の戦略で小さな水場に適応していることが示された。
グループは「小さな環境で同種の個体、特に兄弟姉妹と一緒に成長することは、ユニークな衛生戦略の進化を促進する」としている。