静岡大学
慶応義塾大学と静岡大学、ヤマハ発動機の研究グループは、1 時間の休憩を挟んでバーチャルリアリティ(VR)シミュレータを体験することで、シミュレータ酔い(VR 酔い)を低減できると明らかにした。22日付の科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に掲載される。
ドライブシミュレータを利用すると、搭乗者の安全を保ちながら運転のトレーニングを行ったり、利用者の挙動を評価したりすることが可能だ。だが、VR酔いがシミュレータの活用を妨げてきた。繰り返し体験による対策が行われてきたが、1日以上の時間を空ける必要があり、時間間隔を縮めることが課題だった。
研究には40人が参加。実験室内でバイク型機器に乗った状態でディスプレイ装置を装着した。バイクに乗って左右に蛇行する6分間の映像を2回体験させ、その間の休憩時間を「6分間」と「酔いがなくなるまで」、「1時間」の3グループに分けた。
実験の結果、酔いの程度が小さいほど低いFMSスコアは、6分間群では2回目のほうが大きくなった。酔いが回復するまで待った群は変わらなかった。1時間休憩群のFMSスコアは2回目のほうが低かった。
1日未満の時間間隔でシミュレータ酔いに対する順応が生じるという結果は、これまで示されていない新たな知見だという。