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謎の深海魚「アオメエソ」 3種を外見から分別可能と発見 北大・水産資源研究所

(上)変態初期(下)着底してからの変態後

北海道大学と水産資源研究所のグループは、謎が多い深海魚「アオメエソ」が浮遊生活を終えて着底した後に形態を変化させると推測されている。形態の似たアオメエソ3種を外見の違いから判別可能であるということを明らかにした。

アオメエソはメヒカリとも呼ばれる14センチ程度の深海魚だ。練り製品などとして流通している。アオメエソの稚魚の採取例は少ないことから、資源管理のために必要な初期生活史の知見は乏しい。

グループは東北地方沖の太平洋で採集されたアオエメソ稚魚のミトコンドリアDNAを決定。配列情報を比較することで種の同定を行った。その結果、稚魚には「アオメエソ」「ツマグロアオメエソ」「トモメヒカリ」の3種が確認された。体の色彩や歯、目の形態などの特徴は大きく異なったとしている。

「アオメエソ属は形態的によく似た種が多く、成魚の特徴が十分に発現していない仔稚魚においては、形態に基づく種同定は困難と考えられていた」と説明。「アオメエソ3種の着底後稚魚について形態の違いを確認したことで、東北沖太平洋で漁獲されるアオメエソ属稚魚の正確な種同定が可能となった」と評価した。