新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と東京工業大学、アルミニウム総合メーカー「UACJ」の研究チームは11日、自動車分野などで用いられるアルミニウムリサイクル品を作る「縦型高速双ロール鋳造機」を開発した。世界で初めてのアルミニウムの量産化を目指した鋳造技術だという。UACJで10月から稼働を開始する。
アルミ溶湯に鉄やシリコンなどの不純物が混入すると材料の特性が低下してしまうため、アルミニウムの展伸材の原料にリサイクル材を用いることは困難であった。開発した鋳造機は、溶けたアルミから直接薄板を作成することが可能だ。従来の横型双ロール鋳造機と比べて、アルミの冷却・鋳造速度は数十倍に向上したという。
研究グループは「2030年以降に量産化を実現し、2050年には業界全体で年間1800万トン規模のCO2排出量削減を目指す」としている。